第23章 レイヴンscene1
俺達は、嵐のメンバーには付き合っていることを告白して、隠そうとしなかった。
メンバーに隠し事は嫌だよねって二人で話し合って。
だからメンバーの前では好きにさせてもらった。
いちゃいちゃはしてないつもりだけど、二人でいることが多くなった。
年末を乗り越え、俺のドラマも決まった1月のことだったろうか。
俺と翔の二人だけの仕事が、テレビ局であった。
楽屋に二人だけで、いつものメンバーがいなくてちょっと閑散としていた。
ついてきてるマネの数も少ないから、人の出入りも少ない。
俺と潤が付き合うようになってから、ずっと翔の元気がなかった。
それはわかってたんだけど、原因は思いつかなかった。
その日も楽屋で翔は、俯いていることが多かった。
収録が終わって楽屋に戻って、次の仕事の打ち合わせが終わったら深夜になってた。
俺は車で来ていたから、マネを先に帰した。
翔も車だったようで、マネとチーフを帰してた。
着替えていると、翔が入り口に立っていた。
何してるんだろうと思ったけど、俺は着替えを続行した。
カチャリと音がした。
鍵のかかる音だな、と思った。
なんで鍵なんか掛けてるんだろ。
そう思って振り向いたら、翔が後ろに立っていた。