第21章 ラズベリーscene3
暴走するときの智くんの目は、俺を見ていない。
正確には俺の中しか見ていない。
ただ、俺との快楽だけに集中する。
俺だけに溺れてくれる。
それが嬉しい。
智くんの思考を乗っ取れるから。
俺だけのことを考えて?
汗が飛び散る。
シーツが乱れてめちゃくちゃになる。
それでも俺達は止らない。
乱暴に抱かれてどこまでも登りつめる。
「智くんっ…もう、だめっ…俺、イっちゃう…」
うつ伏せに貫かれながら俺は果てそうになっていた。
「まだ…ダメ…」
「やだぁ…お願い…智くん…」
「ああっ…翔っ…もっと…」
抉るように突き上げられる。
「締まる…もっと…締めて…」
智くんが快感にどっぷり溺れる声を聞いたら、訳がわからなくなった。
「もっと俺で感じて…智っ…」
叫ぶように言っていた。
俺の中がぎゅうっと締まるのがわかった。
それと共に、大きな快感の波がきた。
前にも一度あったあの波が。
あれ以来、来たことがなかった。
「あっ…ダメっ…変になる…っ」
俺は身体を前に逃がそうとした。
智くんの手が腰を掴んで引き戻す。
「逃がさない…」
そうつぶやくと俺の最奥にぐいっとねじ込んできた。