第21章 ラズベリーscene3
夕飯を食べ終えると、智くんがリビングで夕刊を読み始めた。
俺が毎日数誌とっているうちの一つを毎日読む習慣がついてきた。
朝も同じ。
いいことだとは思う。
でもそこから情報を精査しないといけないことも教えてあげたい。
新聞やニュースが本当のことをいっているとは限らないから。
でも智くんの情報処理能力はまだそこまで追いついていないだろうから、今はいわない。
「智くん。お茶いれたよ」
そういってお番茶を渡す。
「ん、ありがとう」
そういってふっと顔を上げた。
俺の顔を見ると、いきなり真っ赤になった。
「ど、どうしたの!?智くん」
「な、なんか、今の夫婦みたいじゃなかった!?」
「えっ!?」
「なんか、とうちゃんとかあちゃんみたいだった!」
そんなことを言われると、俺も真っ赤になる。
「なんか、嬉しい…」
智くんはそう言ってお番茶を飲んだ。
「あっち!!」
「ちゃんとふーふーしなよ?」
「うん…」
しょげてる姿が、かわいかった。