第21章 ラズベリーscene3
暫く座敷で喋った後、智くんの部屋へ行った。
階段にはリンキン・パークやらリンプやらガンズのポスターが貼ってあった。
お母さんの趣味だそうだ…
今日は地味な格好をしていたが、いつもはファンキーなお母さんである。
部屋は白を基調とした部屋だった。
壁一面、収納できるようになっていて、真ん中にはテレビが埋め込まれていた。
でも配線が全部出てて。
ぜんぜんおしゃれな感じじゃなくて。
智くんらしくて笑ってしまった。
「何笑ってんの?」
怪訝な顔をして俺を見ている。
「なんでもないよ?」
俺は笑いをひっこめると、智くんをじっと見つめた。
「なに?」
「さっきの続き…」
智くんの目が笑った。
俺に近づいてきて顔をかしげて唇を寄せてきた。
目を閉じた瞬間、部屋のドアがバーンと開いた。
「だから、そういうことはお家に帰ってからしなさいね?」
お母さんが紅茶を片手に入ってきた。
「すっ…すみませんっ…」
穴があったら入りたかった。