第20章 ポンパドールscene1
「そういえば、お願いってなに?」
抱きしめながら聞く。
「うん…」
そう言ったかと思うと、大野さんは俺の手をひいて寝室へ行った。
ベッドに俺を座らすと、大野さんは隣に座った。
「えっとね…」
そういうと、赤くなって黙りこむ。
「うん?どうしたの?」
「ら、乱暴に抱いて?」
「えっ!?」
大野さんは耐え切れず、顔を手で覆った。
耳まで真っ赤になってる。
「な、なんでそんなこと…」
「だって…いつも潤やさしいから…たまにはいいかなって思って…」
「俺のえっち、マンネリになってる?」
「そうじゃなくて…」
うまく説明できないみたいで黙り込んだ。
「乱暴な潤も、見てみたい…」
ぽそっと言った一言が、俺のスケベ心に火をつけた。
「へぇ…智ってそんなスケベだったんだ…」
早速、乱暴なセックスの準備に入らせてもらった。
「えっ…ちが、違うんだよ…」
「だって、いつものセックスじゃ我慢できないんでしょ?」
「そうじゃなくて…潤が見たいの」
「俺の何がみたいの…?」
「俺のこと、乱暴に悦ばせてる潤がみたい」
「やっぱりスケベじゃん…」
「だから違うんだって…」
目の端に涙が滲んできた。