第3章 きみどりscene2
いきなり俺の脳裏に、さっき見せた顔で俺のモノを咥えるかずが浮かんできた。
強烈にそれは鮮明で。
ぐわっと俺の中に欲情が起こる。
咥えさせたい。
そして、かずに入れたい。
止められない。
ぎゅっと目を瞑る。
でもその映像は目の裏に焼き付いて離れない。
下半身に血液が集まる。
抱きたい。
かずを抱きたい。
「大野さん…?」
かずを抱き寄せる。
「かず…」
「ん?」
「抱きたい」
猛烈に。
「……うん。抱いて…?」
それは、さっきまで言っていた意味とは大きく違くて。
それは、俺がかずの中に入るという意味で。
それでもいいの…?
俺は男で、かずも男で。
それが何を意味しているか。
いつの間にか、かずが俺の顔を両手で包んで覗きこんでいた。
「大野さん…?」
俺の顔はガチガチに強ばっていた。
「緊張してるの?」
首を横にふる。
これをなんといってかずに伝えたらいいか、俺にはわからない。
言葉が選べない。
「大野さん…?俺、大丈夫だから」
かずを大事にしたい。
大事にしたいのに。
壊れたらどうしよう。
「大野さん…?さ、とし?」
名前を呼ばれてびっくりして目を上げた。