第18章 ミントscene1
錦戸がしきりにマルに声をかけてる。
横からヤスも一生懸命声を掛けてる。
大倉は年上組を呼びに行った。
雅紀と俺は和也を見守るしかなかった。
マルは壁に背をつけて、和也を後ろから抱きしめて立っていた。
和也は腕を引き剥がそうともがいているが、逃れられないでいる。
「和也、今は無理するな…」
そう声をかけると、動くのをやめた。
大人しく俺と雅紀を交互にみて、微笑んだ。
ばかやろう…
マルは普通にデレデレしてた。
こんにゃろぉ…
人の恋人攫っといて、なんだその態度は…
だんだん俺の怒りがマックスになってきた。
「あっ…リーダー!抑えて…」
雅紀が俺をなだめる。
「もし、本当だったらヤバイじゃん」
「ああん!?そんなん嘘に決まってんだろ!?」
俺は冷静という言葉を忘れた。
「ちょっ!まじで抑えて!」
雅紀に両肩を抑えられた。
「とにかくあの三人が来るまでまと?ね?」
「くそっ…」
和也の涙を見ていいのは俺だけだ。
なのにマルの前で泣くなんて…
メラメラと嫉妬の炎が燃え盛るのがわかった。