第18章 ミントscene1
二人についていくと、自販機が集まるコーナーの一番奥に雅紀が立っているのが見えた。
なにか隅の方に向かって喋ってる。
「おい!雅紀!」
「あっ!リーダー!」
雅紀がほっとした顔をした。
駆け寄ると、自販機の陰にマルと和也がいた。
「和也っ!」
「さとしぃ~…」
泣いている。
「てめえ…マル…この野郎…」
「ああっ…だめだって!リーダー!」
「え?」
「なんか、マルちゃん、様子がおかしいんだよ…」
「あちゃ~…」
錦戸が顔に手をついて上を見る。
大倉とヤスもげんなりした顔をしてる。
「憑いてるのか…」
「みたい」
よくマルは狐がつくらしい。
これは自称だから、本当のところは誰にもわからない。
だって別に除霊なんかいかなくても、そのうち元に戻るし。
それになにより、だ。
マルは和也に横恋慕してる。
つまり和也が好きなのだ。
だからコイツに会いたくなかったんだ。
和也は、そんなこと気づいちゃいないし。
雅紀はこの段階になっても気づいてないし。
色々ややこしいから嫌なんだ…