第18章 ミントscene1
「あっ…おらんわっどこいった!?」
「雅紀!」
「えっ!し、知らない…」
俺は舌打ちした。
年上組を振り返るとニヤニヤしてこっちを見ている。
「てめえら…覚えとけよ!!」
俺はそう言って楽屋を抜けだした。
「うわ~…キングギドラみたいやったな…」
後ろに横のつぶやきが聞こえた。
楽屋から錦戸が追いかけて出てきた。
「おっ、大野くん!俺も一緒に探すから!」
「わりいな…」
「ごめんな、うちのマルが…」
「いいって、錦戸のせいじゃないから」
「あいつ、ちょいちょい変なんやけど、今日は絶好調で変やったから…」
「なに?どうしたの?」
「もうやめてたんやけど、またやっててん。シャワールームで日本酒かぶってた…」
「またやったの!?」
「うん…それも一升瓶、二本かぶってた…」
「パワーアップしてるじゃん…」
俺らは宛もなく、二人を探した。
「どこいった…?」
息が切れる。
錦戸と目を合わせるが顔を振る。
そのとき、大倉とヤスが俺らを追いかけてきた。
「大野くん!こっち!」
ヤスが叫ぶ。
俺と錦戸は目を合わせると走りだした。