第18章 ミントscene1
アイツ…マルは、錦戸の顔を手で向こうに逸らして、和也になにか喋りかけてる。
マルの手を振りほどいた錦戸が俺の顔を見た。
途端にやばって顔になって、焦った。
「ち、ちがうねん大野くん!」
錦戸が叫ぶ。
同時にマルと和也がこちらを向く。
大倉が俺に駆け寄ってきて、引き起こしてくれる。
「大野くん、ダイジョブですか?」
こいつはまだ俺に打ち解けてくれないから、俺も打ち解けられないでいた。
でもこれでいいヤツ認定だ。
「おお、ありがとう。大倉」
「えっ…あ、うん」
なぜだか赤くなった。
なんだ?こいつまで。
はやり病か?
錦戸がマルと揉み合っている。
年上組が、やいやい後ろで騒ぐ。
「やれやれーどっくん!」
「マルまけるなー」
「オラ!もっとやったらんかい!」
なんなんだこいつら…
ヤスが俺に近づいてきて、おしぼりを差し出す。
「大野くん、これ使って?」
「ああ、さんきゅ」
受け取って手を拭いた。
大倉が何故かそれを受け取った。
錦戸とマルの争いに何故か雅紀が加わっていた。
なにかぎゃーぎゃー言っているが聞き取れない。