第18章 ミントscene1
そういうと、横とヒナは目を合わせた。
「ヤス、こっちにきなさい」
ヒナが手招きする。
ヤスはとぼとぼとそれについていく。
「え?何なんだよ!?」
俺は一人にされた。
雅紀は大倉と何か話し込んでる。
和也は錦戸と。
それぞれ共演経験があるから、共通の趣味もあるみたいで。
仲良くしてる。
俺の共演者…アイツはいない。
どこいった?
楽屋の隅のパーテーションからなにか見える。
人の顔だ…
なんであいつあんなところからみてんだ…
そう思っていたら、肩をちょんちょんとつつかれた。
振り返ると、ヤスが立ってた。
「どした?ヤス」
「あんな、大野くん、これ、食べる?」
スプーンにプリンが乗ってる。
「これなに?」
「カスタードプリンやねん。イグレックプリュスっていってな、大阪で今、はやってんねん」
「まじで。ありがとう」
「あ、ちょっと待ってな」
受け取ろうとした手をスルーされて、ヤスは俺にスプーンを差し出してきた。
「はい、あーん」
「おう、さんきゅ」
俺は素直に口を開けた。
ぱくっと食べると、バニラのいい香りが口に広がった。
「おお、旨い」