第3章 きみどりscene2
そのまま俺達はリビングに戻った。
ソファでゴロっと横になる。
「かず」
呼びかけると素直に俺の腕の中に入ってきた。
「台風ね、今日一日居るんだって」
「そうなんだ。ほんと、身動きとれないね」
そのまま無言の時がきた。
このままずっと台風が居ればいいのに。
そしたら、ずっとかずを腕に抱いて眠れるのに。
「大野さん?」
「ん?起きてるよ」
「キス、して?」
潤んだ瞳で俺を見上げる。
だめだ。
理性を失いそうになる。
唇に、かるく触れるだけのキスをした。
「ちがう」
「え?」
「もっとちゃんとしたキス…」
そういうと、かずの方から激しいキスをしてきた。
「かず…ダメだって。俺、止まらなくなる」
ピタッっと動きが止まって、俺の顔をじっと見る。
両目が潤んで、頬が赤くなって。
唇は口紅を塗ったかのように艶っぽくって。
「そんなに誘ったら、俺…かずを抱き潰しちゃう…」
「だき…潰してよ…」
「え?」
「抱いてよ…」
「ダメだよ。かずは病み上がりなんだから」
「大野さんは、抱きたくないの?」
「え?」
「俺のこと、抱きたくないの?」
「…抱きたいよ」
「俺、大野さんに触りたくてしょうがない。ダメ?」
「ダメじゃないよ?沢山、俺だって触って欲しいよ?でも」
「もう、体調なら大丈夫だから」
ぎゅっと俺のシャツを掴んだ。
「だから、抱いて?」
潤んだ目から、涙が一粒こぼれだした。