• テキストサイズ

カラフルⅠ【気象系BL小説】

第3章 きみどりscene2


「大野さん?」

キッチンの入り口にかずが立っていた。

「かず、起きたの?」

「うん。大野さんいないから目が覚めちゃった」

小首をかしげて微笑むかずは、本当に衝撃的にかわいかった。

「おいで」

俺は抱えていた足をおろし、そこにかずを座らせた。

「寂しくなっちゃったの?かず」

「うん。寂しくなった」

寝ぼけているのか、ずいぶん甘えたことを言ってくれる。

「ふふふ。かわ…好き…かず」

「ん?」

「好き」

そういうと、後ろからぎゅっと抱きしめた。

「タバコちょうだい」

「ん。いいよ」

俺はタバコを一本取り出すと、咥えて火をつけてかずに差し出す。

受け取ると、その背中は美味そうに煙を吸い、吐き出した。

「っか~。久しぶりに吸った…」

「頭、クラクラする?」

「うん。ちょっと」

その声に笑いが含まれていたので安心する。

今は、ちょっとでもかずの体調を回復させたい。

だから余計な負担は掛けたくない。

「吸ったら、戻ろ?」

「ん。でもなんか目が冴えちゃった」

「そっか。顔色いいもん」

「ん?」

「さっき見たら、だいぶ顔色よくなったなって」

「そう?自分じゃわからないや」

すうっとまた煙を吸う。

「ああ、もういいわ」

煙を吐くと、火を消した。

そのまま、立ち上がりこちらを向くとキスした。

「大野さんのタバコきつい」

「そう?いつも自分のなくなったら吸ってるじゃん」

「だって最近変えたでしょ?」

ふわっと笑った。


/ 1124ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp