第16章 ラズベリーscene2
本番が始まって5時間が過ぎたころ、俺のVTRが流れて。
あれを撮った時、ちょうど仲直りした時だったから、めっちゃテンションが高くて。
自分で見ても恥ずかしかった。
でもワイプでみる翔ちゃんは、ちゃんと俺の問いかけに答えてくれてて。
嬉しいっていうのを隠せない顔してて。
俺はそれを見ただけでも、あれをやってよかったなって思って。
途中でワイプから翔ちゃんが消えたなと思ってたら、いきなり楽屋のドアが開いて。
びっくりしてたら、翔ちゃんが息を切らせて入ってきて。
皆いるのに、俺にすごい勢いで抱きついてきて、文字通りぶちゅーっとキスをして、そのまま何も言わずに出て行った。
バタバタと走って行く音を聞きながら、楽屋にいる全員があっけにとられた。
あとに残った俺は、嬉しかったんだけど恥ずかしくて死にそうだった。
あんな翔ちゃん初めてだった。
本番が終わって、最後のあいさつを終えた翔ちゃんが楽屋に帰ってきた。
みんな翔ちゃんを待ってて、拍手で迎えた。
それぞれ声をかけて、11時間の生放送の労をねぎらった。
ほんと、俺の奥さん凄いと思う。
俺だったら絶対無理だもん…
その前に司会の仕事なんてこないけど…