第16章 ラズベリーscene2
音楽番組の本番当日が来た。
翔ちゃんの入り時間は俺よりも早かったから、俺は玄関で翔ちゃんを見送った。
「いってらっしゃい。見てるからね」
「うん。智くんまたあとで」
そう言ってキスをしてくれた。
「あ…」
「うん?」
「翔ちゃん、もう一回…」
「ば、ばか…」
そういいながら、5回くらいキスしてくれた。
最近、翔ちゃんも愛情過多で。
俺のこと好き好きっていうのを沢山だしてくれて、嬉しすぎて死にそうだ。
「じゃあいってくるね」
「うん。いってらっしゃい」
こんなやりとりが、嬉しいんだ。
幕張に着くと、既に翔ちゃんは本番前のランスルーに入ってた。
モニターを通して見る顔は、いきいきしてた。
体調は万全だ。
あの後、二人で必死に食事で改善したから。
俺達も、メドレーの最終打ち合わせに出たりしてたら、本番が始まってた。
俺はモニターからテレビ放送に切り替えた。
こうしないとワイプの翔ちゃんがみえないから。
テレビを見てたら、ニノが近寄ってきた。
「上手くやってるみたいだね?」
「うん。ありがとな」
「いいんだよ。俺達だってああいう時あるから」
「えっ?まじで?」
「まじよ。だってうちの潤、めっちゃヤキモチ焼きだからね…」
「外見通りだな…」