第16章 ラズベリーscene2
その言葉の通り、俺はずっとおあずけを食らった。
あの後、楽屋に帰ったら既に皆の姿はなくて。
楽屋のテーブルの上に、メモが置いてあった。
そのメモにはこう書かれていた。
『Wish you a long happiness』
松潤の字だった。
なんとなくしか意味がわからなくて翔ちゃんに聞いたら、顔を真っ赤にしてた。
「末永くお幸せに、だってさ」
あれは俺たちを仲直りさせようと、仕組まれたことだったらしい。
後から考えたらわかるけどね…
あの時の俺にはそんな余裕なかったから。
あいつらに見事に嵌められた…
恥ずかしいよ…
その日から翔ちゃんは、俺の家に帰ってきてくれた。
いつも通りとはいかなかったけど、前以上に俺たちは幸せだった。
寝るときは手を繋いで寝た。
前よりもよく喋るようになった。
思っていることを、伝えようって努力した。
翔ちゃんは前よりもして欲しい事をはっきり言うようになった。
俺も心にもやもやを溜め込むのをやめた。
そうやって二人でやっていくうちに、本当の夫婦になれるんじゃないかと思った。