第16章 ラズベリーscene2
「痛いっ…やめてっ…」
翔ちゃんの身体が硬くなるのがわかった。
でも俺は止めなかった。
いつもよりも抵抗を感じながら、それでも翔ちゃんの中に進んだ。
「智くんっ…やめてよぉっ…」
なんとか全部入った。
温かい翔ちゃんに包まれた。
俺は幸せだった。
後ろから翔ちゃんを抱きしめた。
ぎゅっと抱きしめた。
なんだか泣けてきた。
泣いたら止まらなくなって。
翔ちゃんの肩に額をつけたまま泣いた。
「ごめん…」
わけが分からなかった。
頭の中に暴風雨が過ぎていったような感じだった。
ただ、今、翔ちゃんの中にいられることが幸せで。
それだけだった。
しゃくりあげるほど泣いてたら、翔ちゃんの身体が緩んだ。
「智くん…どうしたの…?」
翔ちゃんがしゃべってくれた。
首をねじってこちらを見上げる。
「ごめ…俺…こんなことして…」
泣いてて上手く言えない。
「もう…わかったから…」
「ごめん…ごめん…」
俺は翔ちゃんの中から出ようとした。
「あっ…智くんっ…動かないでっ」
「えっ?」
「多分、切れてるから…」
「ええっ!?」