第16章 ラズベリーscene2
二人を引き剥がそうともがいてたら、松潤が翔ちゃんの背後に立った。
「え?何してんの?」
そう言ったら、松潤が俺に目を向けてニヤリと笑った。
かと思ったら、翔ちゃんを後ろからガバっと抱きしめた。
「えっ…」
翔ちゃんの目が大きく見開かれる。
「翔くん、あいつらあんなこと言ってるから、今日は俺たち二人で楽しむ?」
「なっ…何言ってんだよ、潤」
「いいじゃん、あんなのほっとけば」
そう言ってべろっと舌を出して、唇を舐めた。
「えっ…ちょっと待て、潤」
翔ちゃんも焦って腕を引き剥がそうとしている。
「やめろよ。潤!」
でも松潤の力は強くて、なかなか剥がせない。
もがいていたら、松潤が翔ちゃんのほっぺにキスをしようとして。
それをみたら、もうわけがわからなくなって。
気がついたら俺は翔ちゃんの腕を引っ張って、廊下を歩いてた。
「ちょっと、智くん。痛いよっ」
かまわずグイグイ腕を引っ張っていた。
フロアの一番端っこにあるトイレに翔ちゃんを突っ込んだ。
回りを見渡して、掃除中の看板を出した。
それから一番奥の個室に翔ちゃんを押し込んで、無理やりキスをした。