第16章 ラズベリーscene2
俺はもうどうしていいかわからなくなって。
こんな黒い気持ちと、情けない気持ちとを抱えて、正直言えば正気じゃなかった。
でも皆が俺を引き戻してくれて。
「泣かないの」
そう言ってニノは抱きしめてくれて。
松潤も相葉ちゃんも俺の肩を抱いてくれて。
「俺達、リーダーと翔ちゃんがいなかったら、ここまでやってこれなかったんだからさ」
相葉ちゃんが涙声でいう。
「だから、今ぐらい頼りにしてよ?」
そういうとぐずっと鼻をすすった。
「ほんっと、リーダーは俺たち頼ってくれないよな」
松潤も上を見ながら話す。
こういうとき、涙がでるのをこらえてるんだ。
「俺、ほんとにリーダーの気持ちわかるからさ。無理すんなよ」
そういって肩に回した手に力を入れた。
ニノが俺の顔を覗きこんだ。
「うん。その顔だったら大丈夫」
普段は見せない、とてもやわらかい笑顔だった。
「あなた、さっき本当にひどい顔してたから」
そういって俺のほっぺたをぺちぺちと叩いた。
「あなたまで無理したら、俺らどうしていいかわからないから」
そういうとひどく真剣な顔になった。
「俺達は運命共同体なんだよ?だから誰かだけが、負担をかぶるってこと、許されないんだから」