第16章 ラズベリーscene2
なんかいっぺんに脱力した。
それから急いで翔ちゃんの居場所を聞いて向かった。
翔ちゃんは最上階にある個室に入ってた。
大したことはないんだけど、騒ぎになりかけて、VIPに入れられてた。
病室のドアを開けると、点滴をされて翔ちゃんは眠ってた。
過労からくる貧血とのことだった。
俺と一緒にいたのに。
俺、なんにも役に立てなかった。
メンバーはそれぞれ、ソファに座ったりイスに座ったりして、翔ちゃんの目が覚めるのを待った。
俺は落ち着かなくて、窓辺にずっと立ってた。
ニノが近づいてきて、俺の正面に立った。
「あなたさ、ホントそんな顔やめてよ?」
「え?」
「翔さん起きたら、ちゃんとしてよね」
「…言われなくてもわかってるよっ」
いつになくきつい口調になった。
ニノが静かな目で俺を見ている。
「気持ちはわかるから」
そう言って、俺の手を握った。
そしたら、もう一個手がきた。
松潤だった。
「俺も、わかるから」
また手が一個きた。
相葉ちゃんだった。
「俺も。わかるよ?リーダー」
そういって、皆で俺の手を握ってくれた。