第16章 ラズベリーscene2
病院につくと、エントランスに車を着けてくれた。
「じゃあ、俺、まーの実家にいるから」
当然のことのように松にぃは言った。
「え?」
「だから相葉んちの実家」
「なんで?」
ニノと松潤も不思議そうな顔をしている。
「え?お前言ってないの?」
松にぃは相葉ちゃんに顔を向ける。
「あー…なんか言いそびれて…」
相葉ちゃんの顔は真っ赤になってた。
ニノが勢い込んで言った。
「いっ、いつから!?」
「え?だいぶん前だよなぁ?」
「うん…」
相葉ちゃんはすっかり無言になった。
俺と松潤だけ事態が飲み込めてない。
「なに?どういうこと?」
松潤がニノに訊く。
「だ、だってモデルの彼女…」
ニノは口をパクパクさせながらも言った。
「ああ、あれね。アレは隠れ蓑にしたの。彼女はレズだから」
「だ、だって彼女だって紹介してくれたじゃん!」
「俺の本当の彼女は、まーだ」
ここに至ってようやく俺と松潤は理解した。
「ま、まじで…?」
俺は相葉ちゃんを見た。
でも相葉ちゃんは答えてくれなくて。
「ちょっと、雅紀…お前…」
松潤もあっけにとられている。
「も、もういいじゃん!松にぃ、後で連絡するから!」
相葉ちゃんが真っ赤になって、松にぃを窓の中に押し戻した。
「わかった。帰りも送ってやるからな。お前ら」
そういうと、松にぃの車は走りだした。