第15章 Coke scene1
翔さんの手が伸びてきて、問答無用で俺の目を閉じさせた。
「俺達はね、16年待ったの」
「え…?」
「お前を好きになって16年になったの」
「嘘だ…」
「だからね、もう我慢できないの」
「なにいってんの翔さん…」
相葉さんの手が再び開いた俺の目を閉じさせた。
「16年長かったよ、かず」
「でも…」
「俺と翔ちゃんはね、ずっとお互いの気持ち知ってたの」
「え?」
「だけど、かずは俺達の気持ちしらないから、黙ってようって、ふたりで約束してたんだ」
「でもな…」
翔さんが再びしゃべりだす。
「去年ハワイに行った時、思い出して。お前を好きになった時のこと」
「ええ?」
「俺ら、もう我慢するのやめようって、決めたんだ」
「ちょ、ちょ、そこに至る経緯が省略されすぎててわかんない…」
「わかんない?」
ちょっと翔さんが意地悪く言う。
「もうね、お前のかわいさがいけないんだよ?」
「意味がわからないっ!」
飛び起きたら、またクラクラした。
でも今度は枕に戻らずに済んだ。
「俺がかわいいとか、そんなことどうでもいいよ!」