第15章 Coke scene1
目が覚めたら、相葉さんの家の寝室だった。
前にも泊まったことがあるから見覚えがある。
ふと回りを見ると、左に翔さんがいて、右に相葉さんがいて。
ふたりとも腕枕でこちらを向いて寝てる。
二人の息が、俺の顔にかかるくらい近い。
ああ、あれは夢じゃなかったんだ。
どうしよう。逃げ出したい。
でも今動いたら、起きちゃう。
相葉さんも翔さんもTシャツにスエットなのに、俺だけバスローブだし…
頭に乗ったアイスノンが気持ちいい。
相葉さんの手が、俺の腰にかかった。
「かず、起きたの?」
囁くような声で訊いてくる。
「やっ…触るなよ…」
つられて俺も小さな声で答える。
「ごめんね。具合悪くさせて…」
雅紀もとっても悲しそうな顔をしていた。
さっきの翔さんも悲しそうな顔をしていた。
俺のせいじゃないのに、心がちくっと痛んだ。
左側から腕が伸びてきた。
相葉さんの腕のすぐ近くに手を置いた。
「ごめんね…」
翔さんが左から囁く。
なんでこいつら謝ってばっかなんだよ。
そもそも謝るなら、こんなことしなきゃいいのに。
なんだか知らないがむかついてきた。