第15章 Coke scene1
そのまま二人がたこ焼きを焼いている音を聞いていた。
相葉さんの背中は熱すぎる。
翔さんの撫でてくれた髪はぐしゃぐしゃ。
でもなんか幸福で。
二人が出す物音、喋ってる声をずっと聴いていた。
「よし、そろそろ締めにすっか」
翔さんが言った。
まだ食うのかこの人達…
俺は相葉さんの背中で笑った。
「そうだね。準備しようか」
そういうと相葉さんはどこかへ消えた。
翔さんはリビングを片付け始めた。
あれ?なんか出てくるんじゃないの?
不思議に思ってそれを眺めていた。
床にペタンと座っていても、翔さんは文句を言ってこない。
俺のことなんか居ないみたいに、ずっと黙々と片付けている。
忙しなくキッチンとリビングを行き来している。
相葉さんはずっと消えたまま姿を見せない。
「あのー翔さん…?」
「ん?なに?」
「なんか手伝おうか?」
「あ、うん。大丈夫だから。座ってな?」
なんだろ、俺、別に病人じゃないのに。
さっきまであんなに手伝えってうるさかったのに。
すっかりとリビングが片付くと、翔さんは今度はキッチンで洗い物。
その時、相葉さんが戻ってきてキッチンへまっすぐいく。
「あ、翔ちゃん、食洗機あるから」
「あ、マジで。ラッキー」
そんな会話が聞こえてくる。
なんだか俺だけ蚊帳の外。