第15章 Coke scene1
「あっちー…やっべ」
翔さんが汗まみれでたこ焼きを焼いている。
「翔ちゃん、生地まだあるー?」
相葉さんがキッチンから声をかけている。
「んー、そろそろなくなりそう」
「わかった~」
俺は、それを横になって見ている。
「ちょと…ニノ…手伝えよ」
翔さんが汗まみれの顔でにらんでくる。
「俺、散々やったじゃん、さっき…」
最初は俺が焼いてたんだ。
でもお腹いっぱいになって。
もうやめようと言ったら、この二人、まだ足りないとか言うから…
どんだけ食うんだよこいつら…
俺はクッションを抱いて、口元まで引き寄せた。
「俺もう食えないもん」
ちょっと拗ねた口調になってしまう。
翔さんがさらに俺をにらむ。
こわ…
触らぬなんとやらにタタリナシ。
もうたこ焼きも食べれないし、ねたふりを決め込む。
「あれ、かずもう寝たの?」
相葉さんがキッチンから戻ったらしい。
「そうなんだよ。お腹いっぱいなんだってさ」
「こいつホント食べないね」
あんたたちが食べ過ぎなんだよ。
「よっしゃ、焼けた。雅紀、次」
「はい、生地ね」
まぁだ食うの?
おかしくなってクスクス笑ってしまう。