第14章 ショコラscene1
「雅紀…」
どうしていいのかわからない。
このまま進むにしても、戻るにしてもリスクしかない。
でも俺は勃起していて。
痛いほど立ち上がっていて。
「あっ…しょうちゃ…」
雅紀が短く叫んで。
俺の手の中で、どんどん熱を孕んでいくのがわかる。
こいつのなかの本物さんがさせていることなのに、雅紀は雅紀のままで。
いっそ、さっきみたいに本物さんが出てきてくれたら気が楽なのに。
そう思ってしまった自分に衝撃を受けて。
「あっ…あぁ…」
だんだん雅紀の喘ぎ声が湿り気を帯びてきて。
ゆっくりと俺の顔を見上げた。
「翔ちゃん…キスして…?」
そこには泣いている雅紀の顔はもうなくなっていて。
妖艶に微笑む雅紀がいて。
一体これは誰なのかわからなくなって。
忙しなく動く右手から意識がはなれた。
俺はその唇に吸い寄せられるようにキスをした。
そのまま雅紀を押し倒して、その唇に何度もキスをした。
俺のキスを受けながら、雅紀の手は俺のパジャマのボタンを外した。
そのまま俺の肌をまさぐる。
その刺激にまた俺は熱くなる。