第14章 ショコラscene1
だっ、だめなんだもんって言われても…
絶対、本物さんの影響だ。
確信したが、どう雅紀に伝えよう。
戸惑っているのに、なぜか俺は勃起していて。
意味がわからない。
「雅紀、落ち着いて」
そういって、タオルケットごと雅紀を抱き寄せた。
「翔ちゃんお願い。抱いて?」
雅紀は縋りついてきた。
その頬を流れる涙がきれいで。
涙を生み出している目がきれいで。
瞳はガラスで作ってあるみたいで。
「翔ちゃん、俺、おかしい」
「うん。わかってる、いつものお前じゃないから」
そう言ってぎゅっと抱きしめることしか、俺にはできなかった。
「どうして?なんでいつもじゃないの?」
「それは…」
どうしよう。
雅紀に本物さんが憑いてるって言っていいのか…
判断ができない。
そう思っていると、ぐいっと雅紀が俺の手を掴んだ。
そのまま自分の股間に俺の手を持っていく。
素のままの雅紀を握らされた。
「あぁ…」
短い吐息が雅紀の口から漏れた。
「雅紀っ…待てって!」
そのままその手を上下に動かされる。
「ごめん、翔ちゃん…抑えられないよ…」
雅紀が泣きながら言う。