第14章 ショコラscene1
よかった。
いつもの雅紀だ。
少し安心して、俺達は寝に入った。
ベッドが揺れる感覚で目が覚めた。
隣で衣擦れの音がする。
ああ、雅紀が来てたんだ。
目を開けて雅紀を見ると、俺に背を向けてベッドの際に座っているのが見えた。
暗い部屋で、するりと雅紀が上着を脱ぐ。
一体何をしているのか、理解できなくてそのまま見ていると、今度は下も脱ぎ始めた。
「ちょ、ちょ、ちょ雅紀!」
思わず飛び起きる。
「どうした、何してる!?」
バサッとタオルケットをかける。
「しょうちゃ…」
「え?」
「抱いて…?」
「え?誰?」
思わず確認してしまう。
本物さんか、雅紀なのかわからなくなった。
「抱いて?俺、おかしくなりそう」
「お前、雅紀なの?誰なの?」
「俺は俺だよ?雅紀だよ」
「な、何言ってんだよ。抱くとか」
「だって…もう…我慢できないよ」
「どうしちゃったんだよ!?」
「だってぇ…」
そういうと、また泣きだした。
「わかんない。わかんないんだけど。翔ちゃんとえっちしないとだめなんだもん」