第14章 ショコラscene1
俺の家にはベッドが一つしかないから、雅紀と俺は同じベッドで寝ることにした。
ソファでもいいって雅紀が言ったが、リビングと寝室は離れているので一緒に寝ようと俺が言った。
あんなに取り乱した姿を見た後だから、しょうがないと思った。
幸いクイーンサイズだから、腕枕なしで寝られる。
シーツを取り替えていたら、雅紀が変わるというので任せると、執拗にまっすぐ伸ばす。
いつもなら、なんにも気にしないでダイブする奴なのに。
これはもう完全に本物さんが表に出始めてる証拠で。
完璧にきれいにしたシーツをみて満足そうに微笑む。
「翔ちゃん、きれいにできたでしょ?」
そういって、俺に眩しい笑顔を見せる。
「雅紀、これじゃ寝らんないよ」
と笑いながらいうと、少し複雑な顔をした。
「そうだね。じゃあ、俺から飛び込むから!」
そういうと豪快に雅紀はベッドに飛び込んだ。
「あっ!雅紀!」
「わー!翔ちゃんのベッド、ふわふわ~!」
キャッキャとはしゃぐ。
一体どっちなんだ…
「ねえ、翔ちゃんもやってみなよ!」
「アホか…大のおとなが…」
「おとなってつまんねーっ!」
ケラケラ笑い出した。
俺はそれをみて、少しホッとした。