第14章 ショコラscene1
「ここ開けるぞ」
そう断って扉をあけると、素っ裸で雅紀が床にうずくまっていた。
「ど、どうした!?」
「か、鏡に…長い髪の人…」
ああ、本物さんみちゃったんだ…
「え?お前みえるの?」
「みえないよ普段は!なんで?除霊したんじゃなかったの?」
「さあ、俺わからないよ…」
本当にそっちに関してはわからないし。
ただ、今日の段階ではできてないってことは知ってるけど。
ぶるぶる雅紀が震えているので、バスローブを掛けてやって。
「俺、ここにいてやるから風呂入ってこいよ、な?」
「や、やだ…一人になりたくない」
「だから、ここにいるから」
「やだぁ…」
そう言って泣きだしてしまった。
でも先生には、ちゃんと毎日風呂は入れって言われてるし…
「じゃあ…一緒に入る?」
そういうと、雅紀は小さく頷いた。
本当に、どこみていいかわからなかった。
湯船に浸かりながら、雅紀の背中を見ていたんだが。
どうも動きが女性なのだ。
身体はばっちりメンズの雅紀なのに。
動きが女性で。
でも決して気持ち悪いものじゃなくて。
なんていったらいいかわからない。
目のやり場に困った。