第14章 ショコラscene1
今日はどうしようもなくて、俺の家に連れてきたけど、除霊ができるまで、どうしよう。
いっそ、このまま家に居てもらってもいいんだが、それだと雅紀が厄介なことになってるって気付くし。
先生は、俺が背負うことじゃないっていうけど。
ずっとこいつのおばけ避けをしてきた俺には、ほっとけない話で。
事務所もいい考えが浮かばないようだし。
雅紀に気づかれないっていうのが、一番むずかしいところで。
こいつの怯え方は尋常じゃないのは、俺が一番良く知ってる。
どうすればいいのか、俺は途方にくれた。
暫くしたら雅紀の目が覚めた。
「あ、雅紀?まだ寝てていいよ?」
ふらりと立ち上がって、俺のほうに歩み寄ってくる。
「やっと会えた…」
そう言って、俺に抱きついてくる。
「え!?えっ!?」
「ぬしさん…」
そういって、雅紀は俺の唇を奪った。
あ、本物さんだとすぐに分かったが、キスされていること、抱きつかれてることでパニックになった。
「雅紀!ちょっと!」
「ぬしさん…」
そういってぎゅっと俺に抱きつく。
先生そういうことは早く言ってよ!
遊女じゃないか!この人!
どうすんだよ!