第13章 マロンscene1
ぐいっと胸元をあけ、リングにキスする。
「えっ…?」
「これ、ずっと着けててくれたんだな」
「あ…うん…」
「ありがとうな。和也」
「潤くん…」
和也も俺の左手を取ると、リングにキスをした。
これは和也が俺に贈ってくれた、ブルガリのリング。
和也のとお揃いだ。
「潤も、プライベートの時ずっと着けててくれてありがとう」
あれ?酔ってないの?
「……嫉妬、してくれてありがとう」
「え?」
「正直、とても気分がよかった」
「あ、このやろう…」
「きゃーっ、許してっ」
ふざけて和也は逃げる。
俺はそれを捕まえる。
ベッドヘッドまで追い詰めると、俺は和也を裸に剥いた。
「やっ、ちょっと潤っ!」
急な展開に和也は慌てる。
「お前、今日もう寝かさないからな…」
「やっ、潤、ちょっと待って」
「いいだろ?明日はオフだろ…?」
「あ、知ってた?」
「すっごい知ってた」
にやっと笑ってやると、ぶるっと震える。
知ってるんだぞ。
それは、感じてる証拠。
お前、言葉責めに弱いからな。
今日はたっぷりいじめてやる。