第13章 マロンscene1
「雅紀さ、最近翔くん変わったと思う?」
「うん」
「えっ!?」
「なんで?」
「えっ、いや…どういうとこが変わったと思う?」
「え?だってリーダーとできてんでしょ?」
え?え?なんだそれ。
どういうこと!?
「え?なんでそう思ったの?」
「だっていつも一緒に帰るじゃん。来る時だって一緒だし」
そういえばそうだ。
でも俺はただの偶然だと思ってた。
「あの翔ちゃんのさ、リーダーを見る目ったらないよ。完全に奥さんじゃん」
お、奥さん!?
ええ!?全然わからなかった!
「リーダーもさ、仕事以外のことはさ、完全に翔ちゃんに全部任せきってんの。働くお父さんだよ、アレは」
ちょ、ちょ、ちょ…
この半年でなにが起こったんだ!?
最近、翔くんはよく笑うようになったとおもう。
その笑顔は、あでやかで。
艶まででてきたなぁとは思ったけど。
まさか、そんなことになってたなんて。
「え?潤、気づいてなかったの?」
「そ、そんなわけないじゃん!」
「だよなぁ!この鈍い俺まで気づいてるんだからな!!」
最後の一言で、ずーんと落ち込んだ。