第13章 マロンscene1
火曜日は嵐のレギュラーの収録日だ。
俺と和也は、いつもわざとばらばらに現場に入る。
俺達の仲は、メンバーにもマネージャーにも秘密だからだ。
明かしてもいいんだが、面倒なことになるのは、火を見るよりも明らかで。
俺達はそういうのは極力避けたい方なので、バレないように気をつけてる。
いつもより早くついてしまって、ぶらぶらしながら楽屋に入った。
珍しく雅紀が一番乗りしてた。
「おはよー雅紀」
「おはよー潤」
なにか一生懸命容器の蓋のセロハンテープをあけながら答える。
唐揚げだった。
「おま、朝から…」
「朝からなんだよ?」
「よく唐揚げなんか食えるね」
「だってこれすげーウマそうじゃね?」
「ウマイだろね。でも、俺は昼に食いたいわ」
くっくっくと雅紀が笑う。
「潤、胃腸弱そうだからなぁ」
幾分か、揶揄を込めた口調だったので、カチンときた。
「ふーん。万年鈍感の相葉さんに言われてくないわ」
「はぁ?誰が鈍感だって?」
「雅紀だよ」
新聞を広げる。
あ、そういえば昨日、和也が翔さんがどうとか言ってたな。