第13章 マロンscene1
そのまま俺も追いかけてバスルームへ行く。
和也はシャワーを頭からかぶってじっと動かない。
「なぁ。どうしたの?」
後ろから抱きしめる。
ついでに俺も頭からシャワーをかぶる格好になる。
「潤は…潤くんは、俺のこと好きなの?」
「はぁ?当たり前じゃん」
そう言ってるのに、背中は頑なで。
「どうしたの?和也。なんかあった?」
和也は答えない。
「お前、今日も様子おかしい…」
強引にこちらを向かせる。
「俺のこと、本当に好き?」
和也の目がいつになく真剣で。
「なんで?なんか疑ってるの?」
「別に…」
「和也こそ、俺のこと好きなの?」
「え?」
「この前から、リーダーとなにこそこそやってんの?」
「あれは…」
「俺には言えないこと?」
だんだんムカついてきた。
なんで今さら、好きだの嫌いだの言わなきゃならないんだ。
俺達は男同士であるとか、芸能人であるとか、長年の友人であるとか、そういうの乗り越えて今、二人で居るんだ。
なんで今さらそんな確認が必要なんだ。
そんなこと、和也だってわかってるはずだ。