第13章 マロンscene1
和也がシャワーから上がってくる。
気配はわかっているのに、本に熱中してるフリをする。
「潤くん…」
呼びかけられても無視をする。
ちょっとまだ、妬心が残ってる。
和也は俺の近くまで来ると、俺の前で座り込む。
ソファとテーブルの間に身体を入れて、俺を見上げる。
まだ雫の滴る髪。
バスローブの間から見える、透き通った肌。
俺はまだ本を見ている。
すると、和也は俺の組んでいた足を解かせた。
俺の履いているパンツのファスナーに手をかけ下げる。
パンツの中に手を突っ込んで、俺のモノを取り出す。
すると、突然和也は咥えた。
一瞬、身体は揺れたが、そのまま読書を続ける。
この妬心は根深くて、和也には上手く説明できない。
だって、リーダーが相手なのだ。
あの人にはどうしても勝てない部分があって。
それは、男としてだったり、人間としてだったり。
あれだけ力を抜いて生きているのに。まるで俺とは違うのに。
なぜあんな人、いるんだろう。
神様は不公平だと思う。
そんなリーダーのことで和也が悩んでる。
気にならないはずはないし、嫉妬だってする。