第12章 オセロscene1
「今日は沢山感じてたね」
「あんなことされたら…」
恥ずかしそうに目をそむけた。
あんまりかわいかったから、キスをした。
「潤、ひとつ大人になったね」
そうからかうと、不敵ににやりと笑う。
「じゃあ、もうひとつ大人になろうかな」
「え?」
「なんでも言うこときくって言ったよな?」
「あ……」
しまった。
すっかり失念してた。
潤はそのまま何も言わずシャワーへ行った。
俺もそれについて一緒にシャワーを浴びる。
一体なにをさせられるんだろう。
シャワーが終わって、お互いの身体を拭きあって、バスローブを着てもなにも言わない。
だんだん不安になってくる。
どんなハードなことをさせようというのか、この男…
溜めが多いほど、酷いこと言うからなぁ…
リビングで水を飲んでいたら、潤がサイドボードから何か出してきた。
小さい箱を俺に差し出す。
「ハイ、これ」
「なに?」
「連ドラ、お疲れ」
「え?」
「プレゼント。開けて」
「あ、ありがとう…」
開けてみると、リングケースが出てきた。
中には、プラチナのリング。
輪っかが少しずれて重なるデザインで、重なったところに小さなダイヤが埋め込まれてた。