第12章 オセロscene1
潤のキスは情熱的で激しく。
あっという間に俺の口の中に舌が侵入してきて。
抗おうとしても、潤の大きな手に顔をしっかりとホールドされてて動けない。
なにより、潤の香水が俺の思考を奪っていく。
花の強い香り。
こいつ、こんな香水つけてたっけ。
やばい…感じてきた…
口から伝わる快感が、全身に毒のように回ってくる。
だんだん痺れてくる。
「舌、だせよ」
荒い息で潤が言う。
「や、やめっ…」
その隙に身体を捩って床に倒れこみ、逃げようとする。
なんとか立ち上がろうとするが、潤に足首を掴まれる。
「雅紀、そういう姿が俺を興奮させるんだよ?」
見上げると、どうしようもなく気持ち良いって顔で潤が笑ってた。
「や、やだ…俺、男だし…」
床を這いずりながら、潤から目が離せない。
「だから?俺には関係ないし」
今度は手錠を掴まれる。
ぎりっと金属が手首に食い込む。
「ああっ…」
あまりの痛さに身体が仰け反る。
「いい声だな…」
ゾクゾクした。
これから、俺、ヤられる。
そう確信した。
潤の声が、発情していたから。