第11章 アップル・グリーンscene1-2
相葉さんの頬を冷やそうと、濡れタオルを作った。
懐中電灯の灯りのなか、なんとも情けない気分になっていた。
わざわざ見舞いに来てくれたのに、ぶん殴ってしまった。
理不尽に。
あいつはなんも悪くない。
むしろ、一生懸命してくれてる。
そんなヤツに…
タオルを濡らしながらモヤモヤしてると、リビングから声が聞こえてきた。
「ニノぉ…?」
なんとも情けない声…
キッチンから出て、相葉さんのすぐ傍に座る。
「ごめん」
そういって相葉さんの頬に濡れタオルを当てた。
「あなたに当たったってしょうがないんだけどね…ごめんね?」
「ううん。俺がなんかいけないんだろうし…こっちこそ…」
こいつはいつも、俺が怒るとこういう。
自分に非があると思い込んでる。
いや、大半はそうなんだけど…
「いいの。相葉さん悪くないから。松潤だよ…あんにゃろ…」
「いててて…」
相葉さんが腰を押さえる。
「腰、まだ痛むの?」
「うん。さっきまた打ったみたい」
「えっ!?」
「あっ…大丈夫だから!ねっ?」
いつだってそうだ…