第11章 アップル・グリーンscene1-2
それから洗濯乾燥待ちで、暫く一緒にリビングにいた。
俺はずっとタオルケットを被ってテレビをみている。
相葉さんは向かいのソファに座って、そんな俺を眺めている。
普段だったら絶対ぶっとばしてるシチュエーション。
見られてるのが恥ずかしいから。
でも殴りにいくのもだるいから、そのままにしてる。
会話もなく、ただそのまま時間が過ぎていく。
ふと見てみると、うたた寝を始めてる。
タオルケットを掛けてやろうと、半身を起こす。
すると急に相葉さんはしゃっきりと起きているふりをする。
面白いから何回かやってみた。
何回でも起きてるふりをした。
そうだ。
こいつ、頑固なだけじゃなくて、妙なとこで意地っ張りでもあったんだ。
今日は仕事帰りだから、普通に疲れてるはずだ。
だからうたた寝したっていいのに。
看病にきてるって建前があるから、うたた寝ができないんだろう。
暫く様子を伺ってたら、完全に寝落ちた。
そっと立ち上がってタオルケットをかけようと傍に寄る。
幸せそうな寝顔。
普段、一時も止まることがないやつだから、こんなにじっくりと顔をみるのは久しぶりだ。
子供みたいに無垢な寝顔だった。