第11章 アップル・グリーンscene1-2
食べていると相葉さんが隣に座った。
ニコニコしながら俺が食べるのを見ている。
いつもだったらここで張り倒して、退散させるんだけど。
今日は退散させるとこがないからいいや。
相葉さんの作ってくれた食事は、懐かしい味がした。
「ごちそうさまでした」
あ、いただきます、いうの忘れてたな。
作ってもらったのに。
「はーい。じゃあ後は寝るんだよー?」
そう言って相葉さんはキッチンで洗い物を始めた。
寝れるかよ…パタパタうるせえのに。
…俺のどこがいいんだろ。
俺のどこが好きなんだろ。
あんなに一生懸命、俺のあとをついてまわるくらいの魅力が、俺にはあるのだろうか。
女の子みたいだからっていうんだったらぶっ飛ばすんだが、どうやら相葉さんの場合は違うらしい。
「洗濯、勝手にやっちゃっていい?」
キッチンから声が聞こえてくる。
でた。頑固…
ダメって言ってもやるな、あいつ。
「いいよー」
そう言ってやると、パタパタまた音が聞こえ始めた。
「ばーか…」
なんか悔しくなって言ってみた。