第10章 ラズベリーscene1
零れたその涙を舐めた。
甘い、翔ちゃんの味がした。
「甘いよ。翔ちゃんの涙」
「…バカ…」
翔ちゃんは笑った。
俺も笑った。
それからまたキスをした。
「智くん…もっと…欲しい…」
キスの合間に、翔ちゃんの唇からその言葉が出てきた。
俺の理性はそこでぶっとんで。
気がついたら、翔ちゃんをめちゃくちゃに愛撫してて。
パジャマはもうどっかにすっとんでて、翔ちゃんは裸になってて。
俺も気がついたら裸で。
翔ちゃんと俺は汗まみれで。
半年がまんした分が噴火したようだった。
「ごめん…」
「なんで…あやまるの…?」
「もっと、優しくしたかったのに」
「俺は、嬉しいよ?」
「だめだよ…翔ちゃん…俺、止まらなくなる…」
「止めなくていいよ…俺を…」
「翔ちゃん…」
「俺を…好きにして…?」
また、吹っ飛んだ。
もう、どれだけしたかわからないキスを、体中にして。
噴き出る汗を舐めとって。
一際、喘ぎが高まった身体の部分を舐めて。
翔ちゃんの背中に沢山キスをして、後ろから翔ちゃんの中心に手を伸ばして、翔ちゃん自身を掴んだ。