第10章 ラズベリーscene1
その時、反射的に翔ちゃんの身体が後ろへ逃げていくのがわかった。
でも俺はもう離したくなくて。
頬を包んでいた手にぐっと力を入れて、更に唇をぐっと強く押し付けた。
顔を傾けて、更に翔ちゃんの口の奥に入っていく。
俺達の唇から、水音が出る。
暫く俺ばかり翔ちゃんを食べていたら、翔ちゃんも食べ返してきて。
だんだんやめられなくなってきて。
ふたりとも荒い息をしてもまだやめられなくて。
苦しくてどんどん息が上がってもやめられなくて。
我慢できなくて、身体を起こして翔ちゃんに覆いかぶさった。
唇を離さず、更に激しくキスをする。
翔ちゃんのすべてが愛おしくて。
全部欲しくて。
パジャマのボタンに手をかけた。
翔ちゃんの手がそれを止めにきたけど、押さえ込んだ。
もう片方の手でボタンを外す。
翔ちゃんがなにか言いたそうだったけど、なにも言わせない。
ひとつ、ふたつと外していくと、翔ちゃんの手の力が緩んで。
全部はずし終わる頃には、力は抜けていて。
そっと手を翔ちゃんのパジャマの中に滑らす。