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カラフルⅠ【気象系BL小説】

第10章 ラズベリーscene1


「……で、それから?」


二宮先生が、俺の前にあぐらをかいて座って聞いてくる。


「え?家に帰ったよ?」


「家に帰ってから?」


「え?飯食って寝たよ?」


「……寝ただけ?」


「え?うん」


「手を繋いで寝たとか、キスしたとかないわけ?」


「えっ…そんな…」


「あんた、翔さんの気持ちわかったんでしょ?」


「うん…多分…」


「多分じゃねえよ!そこまでされてわかんねぇのか!」


「あぁっ…ごめんなさいっ…」


「気持ちわかったんなら、あんたの気持ちは伝えたわけ?」


「えっ?」


「えっ…?」


「そういえば、言ってない…」


二宮先生が、床に倒れた。


「も、あなた…ホント、どうしちゃったの?今までどうしてたのよ…」


今までの恋愛は、女の子相手だったから、普通にすることができた。


でも、翔ちゃんは別だ。


まず男だし。


それに。


とっても大事だし。


綿にくるんで傷がつかないように、そっと抱きかかえていたいくらい。


どうしたらいいのか、皆目わからない。


本気で泣きそうになっていると、二宮先生が溜息をついた。


「ま、あなたの気持ちもわからないでもないけどさ…」


そういうと、先生は起き上がった。


「あんな控え目にまっすぐ来られたら、どうしていいかわからないよね…」


「二宮先生…」


「よし、じゃあ最後の宿題ね」
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