第10章 ラズベリーscene1
こういうとき、翔ちゃんが女の子だったら、きっと抱きしめていいんだと思う。
っていうか、抱きしめたい。
俺は翔ちゃんの肩に腕を回して、引き寄せた。
「泣いても、いいよ?」
そういうと、俺の顔をびっくりした顔で見て。
すぐに泣き顔になって。
ちょっぴり泣いた。
「ごめんね。すぐ泣いて」
「ううん。いいんだよ」
泣き顔もかわいいから。
「これ、すごいね。渦になってて」
「うん。俺と翔ちゃんと、あと嵐のみんなと、ずっと繋がってくってイメージなの」
「凄いね…」
「そ、そんな」
「凄いよ。智くん」
「そんな褒めないでよ…」
おしりがむずむずする…
「あ、これね、このシルバーのとこ取り外せるの」
そういうと、キーホルダーのスナップを外す。
「これ、ペンダントトップにもなるから」
「ホントだ」
「どっちでも、翔ちゃんの使いたいほうで使ってね」
小箱の中には、シルバーのチェーンも入れておいた。
これは買ってきたものだけど。
「ありがとう…本当に、嬉しい…」
「ううん。俺、翔ちゃんになんにもできないからさ」
「え?」