• テキストサイズ

カラフルⅠ【気象系BL小説】

第10章 ラズベリーscene1


なるべく目立たないように地下鉄に乗る。


今日はお忍びを極めるために、翔ちゃんの車じゃなくて、あえて電車を使う。


電車に乗るのは俺は久しぶりだけど、翔ちゃんはけっこう頻繁に乗る。


飲み会とか、誰かの気の張らないパーティーとか、お酒飲むときは行きだけ電車で行ったりする。


タクシー使えばいいのにって、一回言ったことがあるんだけど、電車に乗ると社会が見えるんだって。


「地下鉄ってさ。なんか凄いよね」


車窓は真っ暗でなにも見えないのに、窓を見ながら翔ちゃんは言う。


平日なのに、車内はわりあい混んでいて、俺達は隅っこで小さくなっていた。


「すごいよね。地下鉄」


「智くんもそう思う?」


「なんかさ、このまま横の壁が、がーっと開いて、地下の帝国つれてかれそうだよね」


「ぶふっ…」


「えっ!?なんか変なこと言った?」


「いや…ぶふぉっ…」


「もー言ってよ?変だった?」


「いや、発想が少年だよね、智くん」


「そう?子供みたいかな?」


「ちがう、子供じゃなくて少年ね」


そういうと、つり革にもたれてまた笑ってる。



/ 1124ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp