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カラフルⅠ【気象系BL小説】

第10章 ラズベリーscene1


「じゃあ、おやすみ」


「おやすみ、智くん」


そう言って翔ちゃんが電気を消してくれる。


そのまま俺の寝てるベッドの端っこで寝る。


俺はその反対側の端っこ。


俺の家のベッドはキングサイズだから、男二人だって余裕で寝れる。


でも、俺と翔ちゃんは端っこと端っこ。


触ったら、ダメだから。


「ねえ、智くん」


「んー?」


「今度の休みいつ?」


「月曜」


「あー…ダメだね」


「なにが?」


「東京都美術館の特別展示のチケット貰ったんだ。一緒に行けたらと思ったんだけど」


「マジで?」


「じゃあチケットあげるから、誰かと観に行っておいでよ」


「でも翔ちゃんが貰ったんでしょ?」


「俺がみるより、智くんがみるほうが価値あるよ」


翔ちゃんの笑ってる顔が見えるような声だった。


「でも…」


「じゃあ、上野動物園でも行こうか?今度休みの合うとき」


「えっ」


「入場料払ってよ?」


「そ、そんくらい払うよ」


くすくす翔ちゃんが笑う。


「じゃあ、楽しみにしてるね」


そういうと、翔ちゃんは背中を向けたようだった。


暗闇でも、翔ちゃんは俺の心がわかる。


きっと、エスパーなんだ。
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