第9章 June bud scene1
「俺だって…」
「え?」
「和也が居ないと、なんにもできねーよ」
「雅紀…」
「お前が傍に居ないと、生きた心地がしねーんだよ。お前がどっかで淋しくて死んでないかって」
「まーくん…」
「だから…ずっと俺の傍にいろよ」
「まーくぅん…」
「俺なんていくらでもくれてやるから」
「まーくんっ…」
そう言うと和也は俺に覆いかぶさって俺をぎゅっと抱きしめた。
「嬉しいよ…嬉しい…」
和也の涙が落ちてきた。
見上げると、泣いてるのに満面の笑みで。
「バッカ…」
頭をポンポンと叩いてやった。
和也が泣き止むまで、そのままポンポンして。
抱っこっていうから、抱っこしてやって。
そのまま暫く胸に抱いていた。
気がついたら、くぅくぅと寝息をたてて寝ていた。
そのまま布団をかぶって、俺達は寝た。
俺のバージンは守られた。