第9章 June bud scene1
和也を膝に抱え上げ、向かい合わせに座らせた。
つけてくれた泡を、和也にも身体で塗りつける。
「なにこれ、安っぽいソープみたい」
また和也が笑う。
「ソープなんか行ったことあんの?」
「ないよ?必要なかったもん」
「だろうな」
和也は俺と付き合うまで、そりゃもう女をとっかえひっかえで。
いつも違う女を連れていた。
芸能人のこともあれば、どこで知り合うのか普通のOLまで。
みんな和也に夢中で、その理由は。
セックスがうまいから。
あんまり彼女たちがそう言うから、興味本位で押し倒してみた。
そしたら、和也は男も初めてじゃなくて。
俺はのめりこんだ。
初めてセックスを覚えた高校生のように、会う度に和也を押し倒して夢中になった。
そのうち和也は体力が保たないと、他の子を全部切った。
俺も、その時付き合っていた子と別れた。
お互いになんの約束も束縛もしてないけど、二人だけになった。
和也には俺。
俺には和也。
それだけ。
とてもシンプルになって、余計に俺は和也にのめりこんだ。