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カラフルⅠ【気象系BL小説】

第8章 ワインレッドscene2


潤に服を着せると、自分も冷えてきたので服を着るために、寝室へ行く。


戻ると、潤の隣に座る。


潤の手が、身体の横に投げ出されていたから、掴む。


手を握り、指を絡める。


そのまま、部屋の時計の音と、潤の呼吸する音を聞いていた。


「優しく…しないでよ」


潤が俺を拒絶しても、俺はその手を離さない。


「同情なら、いらない」


座り込んだ姿勢のまま、潤が言う。


「勘違いするから、もうやめて」


その声が震えても、俺は離さなかった。


「他の人に優しくすればいいだろ」


時計の音が、響く。


「俺にもう優しくしないでよ」


潤が指を振りほどこうとする。

でも俺は、それを握りこむ。


「離して」


手が強い力で引っ張られる。


「離してよ…!」


手が離れていった瞬間、俺は潤を引き寄せ抱きしめていた。


「…何…?離してよ!」


潤がもがいても、俺はもう離さない。


「翔くん…!やめてよ!」


「潤…潤…?」


潤の動きが止まる。


「…どういうつもりなの…?」


「潤、落ち着いて」


俺は潤の背中を撫でた。


あの時、ベッドの中で潤がしてくれたように。


「も…やめてよぉ…」


そういうと、潤は泣きだした。


「残酷だよ…翔くんの優しさは…」

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